先日、所用で神田に行ってきました。
同行した方に老舗のカレー屋さんに連れていってもらったのですが、その階下が古書店で、つい、こちらと目があってしまいました。
能楽「弱法師」の台本です。
この本、とても小さいんですよ。
左は普通の文庫本です。
手に携えて練習できるようになっているんでしょうね。
「近代能楽集」 三島由紀夫 新潮文庫
「近代能楽集」の「近代」の解釈は簡単ではないのかもしれません。
この中には、三島由紀夫による現代を舞台とした「弱法師」が収録されています。
お能の「弱法師」は観た事がないのですが、「近代能楽集」の「弱法師」は数年前にこちらの舞台を観ました。
2008年新国立劇場
この「弱法師」を演出された深津篤史は、今年7月、お若くして逝去されました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
「でもですって?僕にそんんさ言訳はききませんよ。何が僕を納得させると思っているんです。言葉ですか?そんなものは霧か靄みたいなもの。目に見える何かですか?僕は盲らですよ。手に触れる何かですか?手に触れるものと言ったら凸凹だけだ。人間の顔、これもただの凸凹だ。」
-「弱法師」 三島由紀夫