作者の車谷長吉さんは、私の地元兵庫県姫路市出身です。
といっても、旧姫路市ではなく、現在の姫路市飾磨区かつての飾磨市です。
この飾磨区や、「灘の男」の舞台となっている白浜町は、姫路市の海沿いに位置し、姫路城を中心とした旧市内とは、また違った雰囲気です。
そして、この小説では、そんな「灘」の気風溢れる2人の伝説的人物が描かれています。
「灘の男」車谷長吉 文春文庫
播州弁そのままの語り口で描かれたこの物語、私などには耳に馴染んだ響きですが、それ以外の土地の方達にはどのように響くのでしょうか。
製鎖工業を営む主人公が、スウェーデンに溶接装置を買い付けに行った場面です。
「そのスウェーデンに行った時な、こっちはスウェーデン語分からへんやろ。重太郎はんは五尺そこそこの小男やのに、向こうの社長、六尺を超える大男を、やあッ言うて、いきなり抱き上げたんや。ほんなら向こうの白人もびっくりして、そいで言葉なんか分からんでも、おたがい信頼感を持ったわけや。」
「灘の男」-車谷長吉
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