昭和45年7月3日、当時、非常勤理事を務めていた国立劇場の、歌舞伎俳優養成所研修生に向けて行った講義の音声録です。
以前もご紹介しました「三島由紀夫全集第41巻 音声」に収められています。
「三島由紀夫全集第41巻 音声」 悪の華-歌舞伎
「歌舞伎」という食虫植物のような妖しい美しさを持った「華」を咲かせるために、どのような「悪」を肥やしとしているのか、という事を語ります。
けれど、そんな理屈っぽい話しばかりではなく、中学生の時から歌舞伎に魅せられた三島の歌舞伎愛に溢れる講演で、歌舞伎の台詞回しを実演したり、身振り手振りで話している様子が伝わってくるとても楽しいものです。
「三島由紀夫全集第41巻 音声」 解題
講演のテキストは、この三島由紀夫全集の36巻に収められています。
残念ながら、手元にございませんので、一部聴き起こしたものをご紹介します。
「歌舞伎っていうのは、いつでも昔が良かったものだと思うんです。
あらゆる時代で。
あらゆる時代で、昔が良かったから、歌舞伎っていう変な生命が続いているんですね。
(中略)
今が一番悪い。
で、私でお終いだという気持ちが無いと、歌舞伎というものはこれから支えて行く事ができない。」
「悪の華-歌舞伎」_三島由紀夫
0 件のコメント:
コメントを投稿