三島由紀夫原作の「鰯売恋曳網」が上演されるという事で観に行った2009年初春大歌舞伎。
「歌舞伎座さよなら公演 壽 初春大歌舞伎」2009年
中村勘三郎、板東玉三郎によって演じられました。
「鰯売恋曳網」 中村勘三郎 板東玉三郎
三島は歌舞伎を作るにあたり、「悲劇からは封建道徳と義理人情を、喜劇からは低俗さをとりさつて、すべてを人間的動機からだけ組み立て、人間的な悲劇、人間的な喜劇を創造すること。」(上演プログラムより)という創作条件を考えました。
そして、書かれた喜劇「鰯売恋曳網」はまさに勘三郎にぴったりの演目です。
「鰯売恋曳網」 中村勘三郎 板東玉三郎
歌舞伎はいつも大向うで観るのですが、ここからは、花道はほとんど見えません。
思い切り身体を小さくしても、まだ勘三郎より大きい玉三郎との、この引っ込みの場面は本当に魅力的で、乗り出して観てしまいます。
「春興鏡獅子」 中村勘三郎
「春興鏡獅子」 中村勘三郎
そんな歌舞伎への愛情と、その楽しさを私達に伝えようという思いが全身から発せられている舞台でした。
「歌舞伎座さよなら公演 壽 初春大歌舞伎」2009年
0 件のコメント:
コメントを投稿