展覧会のお知らせ

<展覧会のお知らせ>

Galerrie SATELLITE
2019年1月15日-28日

2012年7月30日月曜日

平凡パンチの三島由紀夫


「平凡パンチ」の記者であった椎根和さんが、担当していた三島由紀夫について、語った本です。
三島を身近に感じる楽しいはなしが多いのですが、悲しいエピソードがひとつ収められています。

「平凡パンチの三島由紀夫」椎根和 新潮社 2007年
2009年新潮文庫になっています

19706月、著者が最後に三島と会った時の事。
著者は、六本木で大きな荷物を抱えた三島と出会います。声をかけると、出来上がったレコードを取りにきたとの事。
近くの編集部で、二人でこのレコードを聴く事になります。

このレコードはA面が楯の会の歌「起て!紅の若き獅子たち」、B面が三島の朗読「英霊の聲」、著者はこちらが気に入り、何度も繰り返し聴いていました。
そこに流行の先端のファッションに身を包んだ(「anan」の編集部ですから・・)数人が入ってきます。


「ぼくにむかって、『ヤマト、なにこのオンガク、キモチワリィー』とホモ口調で明快にいった。(中略)
三島は急にソワソワしはじめた。低い声で帰る、といいながら、レコードをつつみ直しはじめた。(中略)もう一度、プレーヤーの針をスタートに戻して、朗読を聴いた。
三島は『やっぱり帰る。これは、こんなところには似合わないね』(中略)
三島はドーナツ盤一枚を残して帰っていった。」
-「平凡パンチの三島由紀夫」椎根和

2012年7月28日土曜日

河出書房新刊_1966年



余談ですが、「英霊の聲」初版本の中に、この広告が入っていました。
1966年6月、河出書房新刊の紹介です。


こちらを見ていますと、米川正夫の亡くなった翌年だったのかぁ、とか、「月と六ペンス」は阿部知二の訳なんだ、とか、「海と百合」のさし絵は難波田龍起、見てみたいなあ、とか、いろいろ興味津々です。

2012年7月27日金曜日

英霊の聲


英霊の聲」三島由紀夫 昭和41年版 河出書房新社

日本人養成講座」の中に「二・二六事件と私」という文章が収められています。
これはもともと書籍「英霊の聲」の中に収められていたものです。

英霊の聲」 河出書房新社

「英霊の聲」「憂国」「十日の菊」は二・二六事件三部作と言われるもので、やはり「二・二六事件と私」もここにあってこそ、意味が深いように思います。

英霊の聲」 河出書房新社

 河出書房というと、「仮面の告白」を世に出した編集者で、坂本龍一さんのお父様でもある 坂本一亀が有名です。
この、英霊の声の装幀は、その坂本一亀のもとで、編集者としても勤めながら、榛地和の名で、装幀作家としても活動する藤田三男さんによるものです。
以前の文庫は、装幀も構成も変わっていましたが、現在はこの初版と同じ表紙で「オリジナル版」として手に入ります。

2012年7月26日木曜日

日本人養成講座

「日本人養成講座」三島由紀夫 パサージュ叢書



1999年発行で、現在は絶版の三島由紀夫「日本人養成講座」、今年、表紙も変わって再出版されたようです。
震災後の日本人に向けてという事でしょうか。

この本、「小説家の休暇」や「蘭稜王」からの抜粋で、ちょっと「良いところ取り」過ぎやしないかなと思う内容です。
最終項は「おわり方の美学」という事で、かの有名な「私の中の25年」で終わっています。


女優の松村英子さんの「巻末エッセイ」

「演劇の社に重なるのは三島先生のお顔ですが、もう復讐の女神(ネメシス)はなだめられて欲しい。この女神の国になって久しい日本、滅びきった日本に、新しい未来が開ける女神が欲しい。」

-「『朱雀家の滅亡』に寄せて」 村松英子
関連記事:「英霊の聲

2012年7月24日火曜日

Les yeux de chat


猫と暮らしているフランス人美術作家の方から、「日本の猫の絵は、どうして、目が線なの?」という不思議な質問を受けました。

「つみネコ劇場」 iPad

「寝ている時の顔がかわいいからかな?」とか、曖昧な事しか言えなかったのですが・・。
あまり納得してもらえなかったようです。

「CHAT」 Bryan Holme
写真 陶器の猫 (フランス)19世紀

こちら、猫の写真や絵を集めたフランスの画集ですが、確かにヨーロッパの作品はすごい目力。

Photo Jahn Mills Jr.

「Chat」 Ulissi Aldravandi 1600年頃


左「Don Manuel Osorio Manrique de Zuniga」(部分) Goya 1949
右「Les Enfants Graham」(部分) William Hogarth 


こんな、かわいい絵も、みんなまるまるな目でこちらを見ています。

「Le Chat」 Z.Szalowska
「Le cirque des chat」 Luis Wain

中国の猫もまるまる。

「木の上の猫」作者不明(中国)19世紀
七宝焼きの猫 (中国)16世紀

日本の置物。目が線ですね。

陶器の猫 (日本)20世紀
「猫と蝶」(中国)19世紀

下の目の開いている作品は中国のものです。

平和の象徴の眠り猫に由来するのか、猫の視線を嫌う理由があるのか、次回その知人と会うまでの宿題です。

2012年7月21日土曜日

2011年 作品

Yasukuni Mai PointLine 2011 白色セメント・粘土 150mm×450mm


2012年7月19日木曜日

BOB MARLEY LIVE!


ボブ・マーリー、1975719日ロンドンでのライブです。

「LIVE!」  BOB MARLEY and the WAILERS

 いろいろなジャンルの音楽を、超名盤と言われるような作品も含めて、平気で紹介させていただいているので、いつも申し訳ないような気がしているのですが、こういう音楽を聴いていると、ジャンルではなく、何かが響いてくる事が大切なんだなと思います。

BOB MARLEY  「LIVE!」

  
ボブ・マーリーの歌は、一言一言がずしんときます。

Then we would cook cornmeal porridge
Of which I’ll share with you
My feet is my only carriage
and so I’ve got to push thru
while I’m gone

No women, No cry- Vincent Ford, Bob Marley

「そして、僕たちはコーンミールのおかゆをつくったね
それを、あなたと分け合っていくんだ
僕の足は、唯一僕を運んでくれるのもの
だから、歩き続けなければいけない
僕がいなくなった時にも」

2012年7月18日水曜日

江戸絵図切子_大友健司


知人から、ビールを1ケースいただきました。
暑くなりましたし、早速冷やしていただく事にしたのですが。

なんだか、ちょうど良いビールグラスが欲しくなりました。
一口ビールグラスというと、江戸切子は定番ですが、こちらは、大友健司さんの作品で、とても新鮮な感じです。


この楽しすぎる絵付けも、ガラスの色もなかなか素敵です。


江戸絵図切子 ランドマーク」 大友健司

「江戸絵図切子 中華街」 大友健司

スズランやカモメの部分には、大友健司さんらしい、やさしいかわいらしさも表現されています。

そして、私にとって重要ポイントは、グラスのバランス。低めで底が重いことです。
これで、お気に入りのグラスを壊して悲しい思いをする確率も低くなります。
普段は、もの静かなんですけどね・・なんだかお酒のグラスの破壊率が高くて・・。




そして、これ本当に申し訳ないような価格で購入。
・・大切に使いますね。

2012年7月17日火曜日

本橋成一&スズキコージ展

つくば美術館での展覧会のご案内をいただきましたので、ご紹介します。

本橋成一&スズキコージ展 『BEFORE&AFTER 3.11』 つくば美術館



スズキコージ+渋さチビズ劇場 つくばカピオホール



2012年7月16日月曜日

UTSUROHI_Aiko Miyawaki

UTSUROHI-a moment of movement Aiko Miyawaki 1990 Montjuic,Barcelona photo by Shigeo Anzai

UTSUROHI-a moment of movement Aiko Miyawaki 1989-1993 La Défense, Paris photo by Shigeo Anzai

2012年7月13日金曜日

MJMMB in HMEJI


たまたまインターネットのニュースから知ったのですが、私の出身地姫路市にMichael Jackson Memorial Marching Band があるそうです。

71日に追悼パレードを行うという事で、実家の鼓笛隊とマイケル好きの母に連絡しましたところ、参加を表明。
1時間近いパレードの全行程に同行したそうです。

興奮冷めやらず、地方新聞に掲載された記事の切り抜きを送ってきてくれました。
なんだか、新聞の切り抜きというのもちょっと新鮮です。

神戸新聞 2012年7月2日

この「マイケルしのび」という文字をじいっと見ていますと、そこから意味が抜けて、白黒の形態に見えてきます。

2012年7月11日水曜日

ラベンダースティック_作り方


ラベンダースティックみたいなものの作り方をご紹介します。
用意するのは、これだけです。

・ラベンダー(できれば穫れたて)
・リボン
・糸
ラベンダーを奇数本数用意します。
9本、11本、13本、ぐらいが良いようです。奇数本数は必須です。
私は11本で作りました。

葉っぱを落として、花の根本を糸で結びます。

結んだところ起点に茎を折り返します。

全部折り返すとこんな感じ。
この時に、茎の間隔をなるべく均等にして、花が中に収まるようにします。
(ちょっとはみ出ていますが・・)

これで、出来上がりがイメージできますので、茎を適当な長さに切りそろえます。
この段階で切っておいた方が、編む時にリボンが絡まなくて作りやすいです。

リボンを、折り返したところから、茎の上下を交互に通してゆきます。
一巡目が間違いやすいので、慎重に。
リボンの片側は、編み終わりに結べる長さを残しておきます。


奇数本数なので、ぐるぐる編んでゆけば、リボンは交互になってゆきます。
リボンの片側は編み目の内側に通しておきます。

形を整えてリボンを結べば出来上がり。

これ、とっても楽しいので、ラベンダーの手に入る方はお試し下さい。

<反省点>
ラベンダーをいただいてすぐに作らず、吊していたので、茎が折れたり、花が落ちやすかったりしました。
でも、あきらめず編んでゆけばなんとかなります。

長さが決まったリボンを使ったので、調整が大変でした。
途中で継ぎ足して蝶々結びに

継ぎ足しなしで、こんな結び目に

また、こちらを作るにあたって、いろいろなサイトを参考にさせていただきました。
どうもありがとうございました。








2012年7月10日火曜日

ラベンダースティックのようなもの


先日いただいたラベンダースティックを見せびらかしていますと、友人が「家にラベンダーいっぱいあるよ」とこれを持ってきてくれました。


となると、作ってみなければと、見よう見まねで挑戦してみる事に・・。
腕の差が顕著にならないように、ちょっと趣向を変えて作ってみましたが、あの高貴なラベンダースティックとは、似て非なるものが出来上がってしまいました。


なんだかんだ、結構たくさんできました。

2012年7月9日月曜日

へルタースケルター_2


以前にご紹介した岡崎京子さんの作品「ヘルタースケルター
もうすぐ、映画が公開になるようです。

「ヘルタースケルター」 岡崎京子 祥伝社


「過激シーン」ばかりが話題になる事の多いこの映画ですが、原作の内容はそんな表面的な「過激」をはるかに超える過酷なものです。
俳優の皆さんや監督はそれを、表現しようと制作されたのだと思います。

「りりこ」という役に入り込めば、心身共に疲弊するのは当然だと思います。
この作品の本当のメッセージが、映画を観た方達に伝わる事を、また、沢尻エリカさんのご快復を心よりお祈りします。

イーディ・セジウィック 「イーディ」


前回掲載した扉絵は、イーディ・セジウィックをモデルにしていると思います。
イーディはアメリカの名家に生まれ、1960年代のファッションアイコンとなった女優・モデルです。
アンディ・ウォーホルのアトリエ「ファクトリー」に通い、ウォーホル監督の映画「チェルシー・ガールズ」などにも出演しています。

「イーディ」 ジーン・スタイン/ジョージ・プリンプトン 筑摩書房




2012年7月7日土曜日

「オスカア・ワイルド論」 三島由紀夫


新訳「サロメ」の中で、翻訳された平野啓一郎さんも、舞台の演出をされた宮本亜門さんも「サロメ」と出会うに至る際の、三島由紀夫の影響を語られています。
また、田中裕介さんによる「解説」の中でも、三島由紀夫の「オスカア・ワイルド論」などについて言及されています。
この評論の中で、三島は、「サロメ」は「はじめて自分の目で選んで自分の所有物にした本である。」と記しています。
残念ながら、「オスカア・ワイルド論」、現在、文庫等では読む事ができませんが、こちらの全集に収録されています。
また、「解説」の中で紹介されているように、1990年刊行の「ユリイカ 特集オスカー・ワイルド」にも収録されているそうです。

「決定版 三島由紀夫全集 第27巻」三島由紀夫 新潮社


「人間の心が通じ合ふための唯一の言葉である音楽を、師ウォルタア・ペイタアにならって、芸術の形式上の典型と呼んだワイルドは、また芸術の感情上の典型を俳優に見出した。音楽は詐術ではない。しかし俳優は最高の詐術であり、アーティフィシャルなものの最上である。それは人間の言葉である台詞が無上の信頼の友を見出す分野である。」
「オスカア・ワイルド論」-三島由紀夫

関連記事:「サロメ_福田恆存訳

2012年7月6日金曜日

サロメ_英語版


こちらは、英語版です。
SALOMEOscar Wilde  Kindle


英語版は古語的な言葉も使われているようです。

平野訳は、フランス語版からの翻訳である事があとがきに書かれていますが、福田訳はちょっとわかりません。
ただ、私、なんとなく英語からの翻訳ではないかと思うのですが、ご存じの方がいらっしゃいましたら、どうぞお教え下さい。


フランス語版のサロメのイメージは平野訳のサロメと重なります。

SALOMEOscar Wilde  Kindle


Ah! I have kissed thy mouth, Iokanaan, I have kissed thy mouth. There was a bitter taste on thy lips. Was it the taste of blood? … Nay, but perchance it was the taste of love… They say that love hath a bitter taste.
-「SALOME」Oscar Wilde

2012年7月5日木曜日

サロメ_フランス語版


「サロメ」フランス語版です。

SALOMÉOscar Wilde  Kindle


こちら、かなり怪しいフランス語力の私でも、なんとか解るくらい比較的平易なフランス語で書かれていると思います。
ワイルドの草稿に何人かのフランス人作家が目を通したそうですが、文法的な誤り以外あまり訂正しなかったそうです。

kindle」には、辞書もダウンロードする事ができます。(仏仏辞書ですけどね・・)

SALOMÉOscar Wilde  Kindle


Ah! j’ai baisé ta bouche, Iokanaan, j’ai baisé ta bouche. Il y avait une âcre saveur sur tes levres. Était-ce la saveur du sang? ...Mais, peut-être est-ce la saveur de l’amour. On dit que l’amour a une âcre saveur…

-「SALOMÉOscar Wilde 
サロメ_英語版」に続く